業務システムで一番多い失敗は、機能が足りないことではありません。
完成したのに、誰も使わないことです。
この記事では、それを避けるための進め方を書きます。
なぜ「一度に全部作る」と失敗するのか
よくある進め方はこうです。
関係者を集めて要望を出し切る → 仕様書にまとめる → 半年かけて作る → 完成
一見きちんとしていますが、次のことが起きます。
- 半年間、まったく業務が楽にならない
- 完成した頃には、業務のやり方が変わっている
- 使ってみて初めて「これじゃない」と気づくが、予算がもうない
- 要望を全部入れた結果、画面が複雑で使いにくい
最後の点は特に重要です。
「あったら便利」を全部入れると、毎日使う機能が埋もれます。
小さく作って育てる進め方
ステップ1:一番困っている作業を1つ選ぶ(1週間)
「全部の業務」ではなく、一番時間を取られている作業ひとつを選びます。
選び方の基準は「毎日やっているか」「間違いが起きやすいか」の2つです。
月1回の作業は、後回しで構いません。
ステップ2:その作業だけを作る(1〜2か月)
画面数でいうと3〜5画面程度。費用は数十万円が目安です。
この段階では、便利機能は入れません。
「その作業が終わる」ことだけを目指します。
ステップ3:実際に使う(1か月)
ここが一番大事です。
使ってみると、想定と違うことが必ず出てきます。
- 絶対必要だと思っていた機能を、誰も使わない
- 逆に、なくてもいいと思っていた機能が毎日必要
- 入力の順番が実際の作業と合っていない
これは机上では分かりません。使わないと分からないことです。
ステップ4:直して、次を足す
使って分かったことを反映し、次に困っている作業を足していきます。
この繰り返しなら、作った機能が無駄になりません。
2つの進め方を比べる
| 一度に全部作る | 小さく作って育てる | |
|---|---|---|
| 使い始めるまで | 半年〜1年 | 1〜2か月 |
| 最初の費用 | 数百万円 | 数十万円 |
| 失敗したときの損害 | 大きい | 小さい |
| 無駄な機能 | 多くなりがち | ほぼ出ない |
| 最終的な総額 | 高くなりやすい | 抑えられることが多い |
小さく作るときの注意点
後から広げられる作りにしておく
小さく作ること自体は簡単ですが、後から足せる構造にしておく必要があります。
ここは技術的な話なので、依頼時に「あとで機能を足していく前提です」と伝えてください。
それだけで、作り方が変わります。
データの持ち方は最初に決める
画面は後から変えられますが、データの構造は後から変えるのが大変です。
「将来どこまで管理したいか」だけは、最初に共有しておくとスムーズです。
Gibbleの進め方
Gibbleでは、この「小さく作って育てる」進め方を基本にしています。
- まず一番困っている作業をヒアリングで特定します
- 1〜2か月で使える形にします
- 使ってみた感想をもとに、次を決めます
- お支払いは着手金5割・完成後5割
フルリモートでのやりとりなので、画面を共有しながら
「ここをこう変えたい」をその場で確認できます。
まとめ
- 一度に全部作ると、使われないものができあがりやすい
- 一番困っている作業ひとつから、1〜2か月で作る
- 使ってから次を決めると、無駄な機能が出ない
- 「後から足す前提」と最初に伝えておく