「あの子、今どのくらいできるようになった?」

この質問に、「だいぶ慣れてきました」以外で答えられるでしょうか
感覚でしか答えられない状態は、そのまま営業の機会損失になります。


結論:見える化の目的は営業判断を早めること

育成を数字にする理由は、本人を評価するためではありません。
「いつ、どの案件に出せるか」を判断するためです。

ここが曖昧だと、判断が後ろにずれます。
1カ月ずれれば、単価45万円の案件なら45万円の売上が消えます。育成の見える化は、そのまま売上の話です。


よくある間違い

測っているものなぜ意味がないか
学習時間座っていた時間であって、できるようになった証明ではない
教材の進捗率写経で進めても100%になる
本人の自己評価できない人ほど高く、できる人ほど低く出る
資格の取得数知識の証明にはなるが、書けるかは別

測るべきは「1人でできたかどうか」の1点だけです。


スキルマップの作り方

技術ごとに5段階などで評価する表を見かけますが、「Laravel:3」と書かれても何ができるか分かりません

おすすめは、作業単位で書く形です。

できること状態
デザインどおりに画面を作る1人でできる
フォームの入力をDBに保存する1人でできる
一覧に検索条件を追加する聞きながらできる
エラーの原因を自分で特定する聞きながらできる
他人のコードを読んで仕様を説明するまだできない
ブランチを切ってレビューを受ける1人でできる

状態は3段階で十分です。

  • 1人でできる … 案件に出せる材料になる
  • 聞きながらできる … あと一歩
  • まだできない … 次の学習対象

細かく分けるほど運用されなくなります。10〜15項目に絞ってください。


誰が評価するか

本人の自己申告だけにすると、実態とずれます。
コードを見ている人が判定するのが原則です。

判定の基準は1つ。「その作業を、質問なしで終わらせたことがあるか」
1回でもあれば「1人でできる」、途中で聞いていたら「聞きながらできる」です。


月次レポートに入れる項目

スキルマップだけでは、なぜ進んだ・進まなかったが分かりません。
月に1回、次の5つをまとめます。

項目書く内容
今月やったこと学習範囲と、作った成果物
できるようになったことスキルマップで状態が変わった項目
詰まっている場所どこで、何回止まったか
来月の目標1つだけ。判定できる形で
案件投入の見込み今の状態なら何月ごろ、どの規模なら出せるか

最後の1行が、経営にとって一番価値があります。
これがあると、営業が先に案件を探し始められます。「出せるようになってから探す」では、そこからさらに1〜2カ月かかります。


記録が残ると起きること

  • 担当者が変わっても引き継げる
  • 客先に「ここまでできます」と具体的に説明できる
  • 本人が自分の成長を実感できる(離職防止になる
  • 次の未経験者を採ったとき、同じ設計を使い回せる

3つ目を軽く見ないでください。
未経験者が辞める理由の上位は「成長している実感がない」です。先月できなかったことが今月できていると紙で見えるだけで、辞める確率は下がります。

離職の話は未経験エンジニアの早期離職はなぜ起きるのかにまとめています。


よくある質問

Q. 専用のツールは必要ですか?
A. 不要です。スプレッドシート1枚で足ります。ツールを入れると、入力自体が目的になって続きません。

Q. 更新の頻度は?
A. スキルマップは月1回で十分です。週次だと変化が出ず、更新が形だけになります。

Q. 本人に見せるべきですか?
A. 見せてください。評価のための表ではなく、次に何をやるかを決める表だと伝われば、本人のほうから項目を埋めにいきます。


まとめ

  • 見える化の目的は、案件に出す判断を早めること
  • 学習時間・進捗率・自己評価を測っても意味がない
  • 技術名ではなく、作業単位で「1人でできるか」を書く
  • 判定するのは、コードを見ている人
  • 月次レポートに「案件投入の見込み」を必ず入れる

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