制作会社にいるけれど、納品して終わりの働き方に限界を感じている。
自社開発に移りたいけれど、何を準備すればいいか分からない。
結論から書きます。
必要なのはポートフォリオ1本と、「あとから直せる人」だと示すことです。
評価される点が違います
| 制作会社 | 自社開発 | |
|---|---|---|
| ゴール | 納品する | サービスを伸ばす |
| 評価される力 | 速さ・正確さ | あとから直しやすく作る力 |
| コードの寿命 | 納品したら終わり | 何年も使われる |
| 求められる説明 | デザインどおりか | なぜその設計にしたか |
自社開発では、書いたコードを自分たちで保守し続けます。
だから「速く作れる」より「あとで困らないように作れる」ほうが評価されます。
「あとで困らないように作る」とは何か
抽象的なので、実務で僕が実際にレビューで指摘されたことを書きます。
これがそのまま、自社開発で求められる基準です。
1. 命名を統一する(一番多い指摘)
Ahagate
ahaGate
AhaGate
aha_gate
どれが正解ということはありません。混ざっていることが問題です。
納品して終わりなら、多少ばらついていても支障は出ません。
でも何年も触り続けるコードだと、読む人が毎回止まります。だから指摘されます。
2. 引数に型を指定する
// 指摘される
public function findUser($id)
// 型を指定する
public function findUser(int $id)
3. その関数が何を返すのかを書く
public function findUser(int $id): User
受け取るものと返すものが書いてあると、その関数を使う側が中身を見なくて済みます。
この3つは、未経験の段階でも意識できます。
ポートフォリオで揃えておくだけで、「実務を意識しているな」と伝わります。
通る人がやっている準備
1. ポートフォリオを1本仕上げている
これがないと、選考のテーブルに乗りません。
逆に言えば、1本あるだけで応募できる会社が一気に増えます。
作るときの基準は3つです。
- ストーリーがあること(制作の現場で困ったことが最適)
- 機能は4つほど
- 非同期処理を1か所入れる
なおテストコードは不要です。未経験の段階でそこに時間を使うより、動きを説明できるようにするほうが効きます。
2. テーブル設計を自分で決めている
自社開発の面接では、必ず「なぜこの設計にしたのか」を聞かれます。
ここはAIに任せないでください。
僕も実務では、全体の構成とDB設計だけは必ず自分でやります。間違えるとあとから全部作り直しになるからです。
3. 制作の経験を「保守の話」に翻訳している
| 制作での経験 | 自社開発向けの言い方 |
|---|---|
| 他社が作ったサイトを改修した | 他人のコードを読んで、影響範囲を確認しながら直した経験がある |
| 納品後に修正依頼が来た | 公開後の不具合対応をした経験がある |
| 複数案件を並行した | 優先順位をつけて進める経験がある |
「他人のコードを触った経験」は、実務で一番使う力です。
ここを言語化できると、未経験の応募者とはっきり差がつきます。
よくある落ち方と対策
| 落ち方 | 対策 |
|---|---|
| 「このボタンを押したらどうなっているか」に答えられない | 動きを声に出して説明する練習をする |
| 設計の理由を聞かれて詰まる | テーブル設計を自分で決め直す |
| 作品が教材のコピーに見える | 制作の経験から題材を取り直す |
| コードの書き方がばらついている | 命名を1つに統一する |
1つ目は、僕が実際に落ちたパターンです。
面接でコードは軽く見られただけで、そのあと「このボタンを押したら、どうなっているんですか?」と聞かれました。
画面読み込みのぐるぐる(ローディング)について聞かれていたのですが、答えられませんでした。
面接官はコードを全部読みません。動きについて質問してきます。ここは必ず準備してください。
受託開発を挟むのも有効です
自社開発は人気なので、いきなりは通りにくいこともあります。
その場合、受託開発を1〜2年挟むルートが現実的です。
- いろいろな業界のシステムに触れる
- 実務経験として職務経歴書に書ける
- 制作で培った納期感覚がそのまま使える
実務経験が1年あるだけで、応募できる自社開発の求人はかなり増えます。
よくある質問
Q. Laravelでないとダメですか?
A. そんなことはありません。僕の兄は素のPHPで作った作品で転職しています。フレームワークより、中身を説明できるかどうかです。
Q. 学んだ言語と会社の言語が違っても大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。伴走したSさんはLaravelを学んで、受かった会社はRubyでした。今はRuby on Railsをやっています。
Q. 制作会社を辞めてから準備すべきですか?
A. 辞めないでください。収入がある状態のほうが落ち着いて学べます。1日2時間で3カ月が目安です。
まとめ
- 自社開発で評価されるのは「あとから直しやすく作れるか」
- 具体的には命名の統一・型の指定・返り値。未経験でも意識できる
- テーブル設計は自分で決める(面接で必ず聞かれる)
- 制作の経験は「保守の話」に翻訳して伝える
- いきなり通らないなら、受託開発を挟むルートも有効
制作会社で「他人のコードを触ってきた経験」は、そのまま自社開発で効きます。
翻訳の仕方を変えるだけで、伝わり方が変わります。
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