「教材は終わった。じゃあ何を作ればいい?」
ここで1カ月止まる人が、本当に多いです。
そして、止まっている間にやる気が消えていきます。
先に結論を書きます。
ポートフォリオのネタで一番大事なのは、技術ではなくストーリーです。
僕が転職のときに作ったのは「自問自答クイズアプリ」でした
実例から書いたほうが早いと思います。
当時、彼女が管理栄養士を目指して勉強していました。
その様子を見ていて、こう思ったんです。
スマホで自分で問題を登録できて、わからなかった問題だけを集めたオリジナルの問題集が作れたら便利なんじゃないか、と。
それで作ったのが自問自答クイズアプリでした。
面接で話したのも、まさにこの部分です。
技術の説明ではなく、「誰が、何に困っていて、だから何を作ったのか」を話しました。
ここが用意できていると、面接がかなりラクになります。
逆にここが無いと、どれだけ機能を詰め込んでも話すことがなくなるんですよね。
なぜストーリーが大事なのか
未経験のポートフォリオは、題材で7割が決まります。
- 技術力は未経験同士で大差がない
- 一方、題材には自分の経歴や環境がそのまま出る
- 面接で語れる量がまったく変わる
面接で一番聞かれるのは「なぜこれを作ったんですか?」です。
教材のコピーだと、ここで詰まります。作った理由が「課題に出たから」しかないからです。
「あなたにしか作れない題材」を選ぶことが、最短の差別化です。
ネタ決め3ステップ
ステップ1:「面倒だ」と感じたことを20個書き出す
まずは技術のことを一切忘れて、紙かメモアプリに書き出します。
- 前職・現職で面倒だったこと
- 日常生活で面倒だと感じること
- 身近な人が困っていること
3番目を忘れないでください。僕のクイズアプリはここから出ています。
自分のことだけで考えると、意外と出てきません。
例:
- シフト希望をLINEで集めて、手作業でExcelにまとめていた
- 引き継ぎメモが紙で、探すのに時間がかかった
- 家族が資格の勉強をしていて、間違えた問題を管理しきれていない
- 筋トレの記録がノートで、過去との比較ができない
質より量です。20個出してください。
ステップ2:「Webアプリで解決できるか」で絞る
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| データを保存する必要がある | 登録・一覧・編集・削除を作る理由になる |
| 複数人が使う可能性がある | ログイン機能を付ける理由になる |
| 一覧・検索したくなる | 実装の幅が出る |
| 自分(か身近な人)が使いたいと思える | 途中で飽きない。これが一番大事 |
逆に、次のものは避けます。
- 一度使ったら終わりのもの(計算ツールなど)
- 保存するデータがないもの
- 実装が複雑すぎるもの(決済、リアルタイム通信など)
ステップ3:1行で説明できる形にする
「◯◯な人が、◯◯するときに困る◯◯を解決するアプリ」
僕の場合はこうなります。
- 「資格の勉強をしている人が、復習するときに困る間違えた問題の管理を解決するアプリ」
- 「飲食店の店長が、シフトを組むときに困るLINEでの希望収集と集計を解決するアプリ」
- 「介護施設のスタッフが、申し送りをするときに困る紙メモの検索性を解決するアプリ」
この1行が書けない題材は、作り始めないでください。途中で必ず迷子になります。
機能は4つほどでいい
題材が決まったら、次は機能です。ここで盛りすぎる人がとても多いです。
機能は4つほどで十分です。
多すぎると全部が中途半端になりますし、少なすぎると見てもらえません。4つくらいがちょうどいいバランスです。
土台になる機能
- ユーザー登録・ログイン
- データの登録・一覧・編集・削除
- 入力チェック(バリデーション)
課題に合わせて足す機能(例)
- 検索・絞り込み
- CSV出力
- 画像アップロード
- 権限管理(管理者と一般ユーザー)
ここで足した機能が、あなたの企画力を見せる部分です。
なぜその機能を足したのか、必ず説明できるようにしてください。
非同期処理は、絶対に1か所は入れる
これは必ず守ってほしいです。
非同期処理を1か所は入れてください。
非同期処理とは
ざっくり言うと、ページ全体を読み込み直さずに、一部だけを更新する仕組みのことです。
| 動き | |
|---|---|
| 普通の処理 | ボタンを押す → 画面が真っ白になる → 全部読み込み直す |
| 非同期処理 | ボタンを押す → 画面はそのまま → 必要な部分だけ変わる |
「いいね」ボタンを押したときに画面が切り替わらずに数字だけ増える、あの動きです。
なぜ入れるべきか
これが1か所入っているかどうかで、作品の見え方が変わります。
- 触ったときの印象が、実際のサービスに近くなる
- フロントとサーバーのやり取りを理解している証明になる
- 面接で説明できる技術の話が1つ増える
全部を非同期にする必要はありません。1か所でいいです。
入れやすい場所
- お気に入り・ブックマークの登録と解除
- チェックの切り替え(完了・未完了など)
- 入力しながらの絞り込み検索
- 削除ボタンを押したときの反映
難しく考えず、「押しても画面が切り替わらないと気持ちいい場所」を1つ選んでください。
職種別・ネタのアイデア例
前職がある方は、そこが最大の武器です。
| 前職 | ポートフォリオのネタ例 |
|---|---|
| 飲食・接客 | シフト希望収集、予約管理、まかない在庫管理 |
| 販売・アパレル | 店舗間の在庫確認、顧客の来店履歴メモ |
| 介護・医療 | 申し送り共有、利用者の記録管理、シフト管理 |
| 建設・製造 | 現場写真の共有、日報作成、資材の在庫管理 |
| 事務・経理 | 経費申請、備品管理、稟議の進捗管理 |
| 保育・教育 | 連絡帳のデジタル化、出欠管理、教材の共有 |
| 運送・配送 | 配送ルートのメモ、車両点検記録 |
| 学生・職歴なし | サークル管理、バイトのシフト、学習記録、家族や友人の困りごと |
職歴がない人でも問題ありません。僕も、身近な人の困りごとから作りました。
避けたほうがいい題材
| 題材 | なぜ避けるべきか |
|---|---|
| タスク管理アプリ | 教材の定番。他の応募者と完全にかぶる |
| ブログ・掲示板 | 同上。企画力が伝わらない |
| ECサイト(決済あり) | 実装が重く、決済は実際には動かせない |
| SNSクローン | 規模が大きすぎて完成しない |
ただし、題材が定番でも「自分のストーリーから出発している」なら問題ありません。
「前職の店舗でタスクが共有できなかったので作った」なら、それは立派な企画です。
決められないときの最終手段
- 直近3カ月で、一番「面倒だ」と口に出したことは?
- 家族や友人が、今なにか頑張っていることは?
- 前の職場に戻れるとしたら、何を改善したい?
2番目の質問が特に強いです。
僕のクイズアプリも、彼女が資格の勉強をしていなければ生まれていません。すぐ近くに転がっています。
よくある質問
Q. すでにあるサービスと似ていてもいいですか?
A. 問題ありません。世の中のサービスはほぼ何かに似ています。大事なのは「自分のストーリーから出発しているか」です。
Q. 規模はどれくらいがいいですか?
A. 機能4つほどで、1カ月前後で完成する規模にしてください。大きすぎると完成せず、未完成は評価されません。
Q. 途中で題材を変えてもいいですか?
A. 1回までなら構いません。ただし2回変えると、たいてい完成しません。迷ったら「小さくして完成させる」ほうを選んでください。
Q. 非同期処理が難しくて入れられません。
A. 全部やろうとしていませんか。1か所だけでいいです。まずは「お気に入りボタン」あたりから試してください。
まとめ
- ネタで一番大事なのはストーリー。技術ではない
- 「面倒だったこと」を20個書き出す。身近な人の困りごとも入れる
- 「◯◯な人が、◯◯するときに困る◯◯を解決するアプリ」の1行にする
- 機能は4つほど。盛りすぎると完成しない
- 非同期処理は絶対に1か所は入れる
僕が作ったのは、彼女が資格の勉強で困っていたから生まれたアプリでした。
大したアイデアではありません。ただ「なぜ作ったか」を自分の言葉で話せたのは、それが理由です。
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