相談でいちばんよく聞かれる質問がこれです。

AIがあるから、もう学習しなくていいんじゃないですか?

気持ちは分かります。実際、聞けばコードが返ってきますから。

ただ、答えははっきりしています。
AIを使うために、基礎を押さえておく必要があります。


基礎がないと、AIを使いこなせない

AIは、聞けば必ず何か返してきます。それが正しいかどうかは別です。

基礎がない状態で使うと、こうなります。

  • 返ってきたコードが合っているか判断できない
  • 動かなかったとき、どこが悪いか聞き返せない
  • そもそも、何を聞けばいいか分からない

3つ目が一番きついです。
質問できるということ自体が、ある程度分かっている証拠なんですよね。

実際、僕が伴走したSさんは、Laravelの流れを理解できたタイミングでChatGPTへの質問の仕方まで上手くなりました。
順番は「理解が先、質問がうまくなるのは後」です。逆はありません。


身につかなくなる、典型的な流れ

  1. エラーが出る
  2. エラー文をそのままAIに貼る
  3. 修正コードが返ってくる
  4. 貼ったら動いた。先に進む

この流れ自体は悪くありません。実務でもやります。
問題は、3と4の間に何もないことです。

なぜそのコードで直ったのかを見ないまま進むと、同じエラーで何度も止まります。
そして、作品ができあがった頃には自分が何を作ったのか説明できない状態になります。


添削していて、すぐ分かること

僕は未経験の方のポートフォリオを添削しています。
正直に書くと、送られてくる作品で多いのはこの3つです。

  • 教材どおりの箇所が多い
  • AIで作ったんだろうな感があふれている
  • 「これ、どうやって実装したんですか?」と聞くと答えられない

AI感は、コードを見ると分かります。
他の部分は初学者らしい書き方なのに、一部だけ急に整いすぎているからです。

ただ、AIを使ったこと自体は問題ではありません。
説明できないことが問題です。


採用する側が見ているのは、技術力ではありません

ここが、この記事で一番伝えたいところです。

はっきり言ってしまうと、未経験の技術力なんて、どんなに頑張っても大したものじゃありません。
採用する側も、それは分かっています。

では何を見ているか。

  • 基礎をしっかり理解できているか
  • 自分で考えてコードを書く力があるか

これって技術力ではなく、過程ですよね。

  • どうやって壁を乗り越えたのか
  • 何を課題だと考えて、それを解決するために何を勉強したのか
  • 実際に解決できたのか

ここが見られています。
そしてAIに丸投げすると、この過程がまるごと消えます。面接で話すことがなくなるんですよね。


学んだ言語が、そのまま使えるとは限りません

これも実例があります。

僕が伴走したSさんには、Laravel(PHP)を教えました。
6カ月で転職に成功したのですが、受かった会社はRubyを使っていました。

なので、今はRuby on Railsをやっています。

ここから分かることは2つです。

  1. 言語そのものより、土台のほうが大事
  2. それでも採用された。つまり会社は言語ではなく、その人を見ていた

逆に言うと、AIに書かせて中身を理解していない人は、言語が変わった瞬間に何もできなくなります。
土台がないので、乗り換えができないんです。


いろいろ手を出さず、1つを極める

相談していると、こういう方によく会います。

  • 資格の勉強も始めた
  • Reactも触っておいたほうがいい気がする
  • Pythonも人気らしい

気持ちは分かりますが、大事なのは1つを極めることです。

最初からReactができなくても、まったく問題ありません。
1つを深くやった人は、次の言語を覚えるのも速いです。上のSさんがまさにそれです。

逆に、浅く広くやった人は、どれも説明できません。
面接で「これはどういう仕組みですか」と聞かれて詰まります。


それでもAIは使うべきです

ここまで注意ばかり書きましたが、使わない理由はありません。

  • 現場では全員が使っている
  • 一人で学ぶ人にとって、24時間の相談相手になる
  • 何回聞いても嫌な顔をされない

3つ目は本当に大きいです。人に何度も聞くのは気が引けますが、AIなら遠慮が要りません。
分かるまで聞きまくってください。ここは遠慮する意味がまったくない部分です。


身につく使い方

1. 学習中はエディタに組み込まない

VSCodeにAIを入れるのではなく、ブラウザ版をコピペで使ってください。

エディタに組み込むと、その場に勝手に書き込まれるので、理解していなくても進んでしまいます。
ブラウザ版なら「どのファイルのどこに貼るか」を自分で決める必要があります。

面倒ですが、この面倒さがそのまま練習になります。

2. 「初学者が読めるコードで」と指定する

何も言わないと、短くて賢い書き方が返ってきます。それを読めないまま貼ると、自分の作品なのに自分が読めない状態になります。

3. 自分が書いたコードを参照させる

すでに書いた部分を見せて、「この書き方に合わせて書いてください」と頼みます。
全体の書き方が揃うので、AI感も消えます。

4. 先に自分の仮説を書いてから聞く

1. 何が起きているか
2. 原因はどこだと思うか(仮説)
3. すでに試したこと
4. 次に試そうと思っていること

これを書いている途中で、自力で解決することがよくあります。


よくある質問

Q. AIがあるのに、なぜ基礎を学ぶんですか?
A. AIを使うために必要だからです。返ってきたものが正しいか判断できないと、任せることもできません。

Q. 面接でAIを使ったと言っていいですか?
A. 言って問題ありません。むしろ隠すほうがリスクです。「どこを自分で決めて、どこをAIに任せたか」を説明できれば評価されます。

Q. 何の言語を学べば就職に有利ですか?
A. 1つに絞ってください。僕はPHP・Laravelをすすめていますが、Sさんは受かった会社がRubyでした。言語より、自分で考えて書けるかどうかが見られます。


まとめ

  • AIがあるからこそ、基礎が要る。使いこなすために必要
  • 採用で見られているのは技術力ではなく過程
  • 未経験の技術力は、どんなに頑張っても大したものにならない
  • 学んだ言語がそのまま使われるとは限らない(Sさんは受かった先がRuby)
  • いろいろ手を出さず、1つを極める。Reactは後でいい

AIに書かせても作品はできます。ただ、そこに過程が残りません。
面接で聞かれるのは、できあがったものではなく、そこに至るまでの話です。

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