未経験で入った人の単価が、40万円台のまま2年動かない
SESの現場でよくある状態です。

本人が怠けているわけではありません。上がらない構造にはまっているだけです。


結論:単価は「できること」ではなく「証明できること」で決まる

客先は、本人の実力を直接見られません。
見るのはスキルシートと面談での受け答えだけです。

つまり、できるようになっていても証明できなければ単価は上がりません
逆に言えば、証明の作り方を変えるだけで上がる余地があります。


単価が止まる3つの原因

1. 同じ工程に長くいる

テスト工程を2年続けると、スキルシートには「テスト2年」しか書けません
設計や実装の案件に応募しても、経験なしと判断されます。

本人は真面目に働いているのに、市場価値だけが止まる。これが一番多いパターンです。
構造についてはSESで未経験者が案件に入れない本当の理由で詳しく書いています。

2. 何をやったか書けていない

スキルシートが「Java、SQL、テスト」だけで終わっている人が非常に多いです。
これではどのくらいできるかが伝わりません

3. 単価を上げるタイミングを逃している

同じ現場に居続けると、単価は据え置かれやすくなります。
客先からすれば、今の金額で回っているものを上げる理由がないからです。更新のタイミングで動かさないと、そのまま次の1年も同じ金額になります。


スキルシートの書き方を変える

同じ経験でも、書き方で伝わり方が変わります。

よくある書き方変えた書き方
テスト業務を担当結合テストの項目を作成し、不具合を起票。再現手順の特定まで担当
Javaでの開発既存機能に検索条件を追加する改修を3件担当(設計書の修正含む)
SQLを使用複数テーブルを結合した集計クエリを作成。実行が遅い箇所の改善も担当

ポイントは「何を、どこまで、1人でやったか」を書くことです。
盛る必要はありません。実際にやったことを具体化するだけで、印象は変わります。

これは本人だけでは書けません。会社側が記録を持っていないと具体化できないためです。月次で育成の記録を残しておくと、そのまま材料になります。


単価が上がりやすくなる条件

条件なぜ効くか
設計書を読んで実装できる指示待ちでなくなり、上の工程を任せられる
1人で原因調査ができる周りの時間を奪わない。現場が一番評価する点
Gitとレビューの流れに乗れるチームに入れるかどうかの最低条件
質問の仕方が整理されているコミュニケーションコストが低いと評価される
担当した機能を説明できる面談で具体的に話せる

技術の難しさより、「手がかからないこと」が評価されます。
現場の単価は、その人が現場の時間をどれだけ奪わないかで決まる面が大きいです。


交渉のタイミング

単価交渉は、何かを達成した直後にしか通りません。

  • 担当範囲が広がったとき
  • 上の工程を任されたとき
  • 後輩の面倒を見る立場になったとき
  • 契約更新の1〜2カ月前

「1年たったので上げてください」は通りません。期間ではなく、変化を理由にするのが原則です。

そのためには、変化を記録しておく必要があります。
記録の残し方は育成の進み具合を数字で見る方法にまとめました。


会社側がやるべきこと

  • 同じ工程に1年以上置かない(本人の市場価値が止まる)
  • 案件を選ぶとき、単価だけでなく「次に何が書けるようになるか」で見る
  • 担当した内容を月次で記録する
  • 単価が上がったら、本人の給与にも反映する

最後が抜けると、育った人から辞めていきます。
単価が上がったのに給与が変わらないことは、本人にはすぐ分かります。


よくある質問

Q. 単価を上げると案件が決まりにくくなりませんか?
A. なります。だからこそ、上げる前に証明を用意しておく必要があります。証明がないまま金額だけ上げると、選考で落ちます。

Q. 資格を取らせれば上がりますか?
A. 単価そのものへの影響は限定的です。ただし選考で並んだときの後押しにはなります。優先順位は実務経験の具体化のほうが先です。

Q. 現場を変えたほうが上がりますか?
A. 上がりやすいのは事実です。ただし工程が下がる現場に移ると逆効果なので、金額ではなく担当できる範囲で選んでください。


まとめ

  • 単価は「できること」ではなく「証明できること」で決まる
  • 同じ工程に長くいると、真面目に働くほど市場価値が止まる
  • スキルシートは「何を、どこまで、1人で」を書く
  • 評価されるのは技術の難しさより、手がかからないこと
  • 交渉は期間ではなく、変化を理由にする

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